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ちょっと高尚な講談会でした。 [講談]

日曜日は国立文楽劇場(小ホール)で「歴史・文芸・講談の会」がありました。15:00開演18:30
までの非常に楽しい時間を過ごす事ができました。15:00からなのでまずはランチで腹ごしらえ。
久しぶりにナマステ・タージマハルでカレーランチです。これで780円。
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この日の講演は梅花女子大学をこの4月に定年退職される荻田清先生を労う会として開催され
ました。何を教えている教授先生かは知りませんが、上方芸能に精通した方で定年を機に夢
だった記念講演を開かれた訳です。
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最初は3000円の木戸銭は高いなと思いましたが納得の講演でした。
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プログラムはまずは荻田先生の挨拶と「太平記」についての講演。皆さんは太平記をご存知
でしょうか?太平記は鎌倉時代末期、南北朝時代のお話です。源氏を討伐した後醍醐天皇
(南朝)、しかし一方では主権を取ろうと足利尊氏が光明天皇をたて(北朝)二人の天皇(朝廷)
が存在した時代です。結局北朝が勝ち足利尊氏が征夷大将軍となり室町時代となりますが、
太平記では意外と判官贔屓というか、南朝の事の話が多く残されています。新田義貞、
楠木正成など有名な登場人物はすべて南朝側の武将たちです。一方北朝側の武将はほとんど
太平記に登場してこないという講演でした。
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その後、その太平記にまつわる芸能として素浄瑠璃「仮名手本忠臣蔵」。素浄瑠璃というのは
通常は人形を使ってする人形浄瑠璃を三味線と太夫だけで演じる浄瑠璃です。人形浄瑠璃は
一度、去年引退された人間国宝竹本住太夫さんの講演を観たことはありますが、人形浄瑠璃
だと人形の動きでなんとなくストーリーはわかるのですが、人形がないと語りだけではわかりま
せん。でも今回はレジュメを用意していただき読みながらの観覧で楽しむことができました。
でもなぜ忠臣蔵なのか?それは太平記のストーリーと忠臣蔵のストーリーに似た部分があり、
太平記を一般に知られた忠臣蔵に例えて演じたお話です。
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2部では旭堂南陵一門での講談の続き読みです。旭堂南照、南陽、小二三による
「塩冶判官の妻」を読みました。珍しい北朝側の講談はこの講演のために書き下ろした
講談でしたが、ソフトでクスっと笑いを取る南照さん、エンターテーメントの南陽さん、
東京講談に近いちゃきちゃきの小二三さんと三者三様で楽しめました。

3部は荻田先生と旭堂南陵先生の対談「講談の盛衰と昭和40年代の上方演芸会」でした。
江戸時代から明治にかけて前世を誇った講談会、こんなにもたくさんの講談が読まれていました。
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大正においてもまだ上方にはこんなに多くの講談師が活躍していました。相撲のように番付け表
にもなっています。
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昭和に入り衰退の一途を辿ります。名門、玉田、松月堂といった上方講談界の名籍もなくなり、
一時は三代目旭堂南陵一人になった時期もありました。三代目が奮起し弟子を増やし、現在
の上方講談界は約20名まで数を増やしています。しかし内紛のため同じ旭堂も2分割され、
同じ席で双方の講談をいっしょに聞く機会は滅多にありません。寂しいことです。
その後は昭和40年代の上方演芸会についての思い出話。落語、漫才など懐かしい名前が出て
きてこれもまた楽しい時間でした。

そして最後は旭堂南陵先生の講談「楠木の泣き男」。太平記自体が講談では話されなくなって
いますが、この演目は今も人気の演目です。
3時間半の長丁場でしたが十分価値のある3000円でした。帰りは浄瑠璃人形となった
くいだおれ太郎がお見送りです。
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これにて御免[exclamation][ダッシュ(走り出すさま)]



P.S.    好評[exclamation&question]ジュンちゃんの顔ハメ看板コーナー。[決定]
三国志には興味がないが・・・

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